音楽:7/f
作詞:入江陵慈 作編曲:松永龍也
うた:車塚美夜
cv.小清水勇魚
イラスト:Studio五組
私ほどの力量で、人前で歌っていいのか自身がないのですが…精一杯歌いましたので、あなたの心に何かが届けばいいなと…その様に思います。
楽曲解説:
美夜は「ミヤズヒメ」に所縁の深い断夫山古墳のキャラクタ、やまとはその夫、「ヤマトタケル」に所縁のある白鳥古墳のキャラクタということで、美夜のやまとに対する「愛」を真正面から描く、「愛」をテーマにした楽曲を制作する運びとなりました。
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表題の ” Love does not dominate “ は、” Love does not dominate; it cultivates. “という、ドイツの有名な詩人、小説家であり劇作家、ゲーテの言葉です。意味は「愛は支配しない、愛は育てる。」ということで、中々こちらを振り向かず自由に過ごすやまとに対して、しかし独占するのではなく、広い愛で包む、そのためには、その愛を育むことが大事、という、美夜の想い、心の置き所としています。
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ヤマトタケルがミヤズヒメを想う流れ、ミヤズヒメが待ちぼうけとなるタイミング、結婚からやがて迎える運命は『古事記』に記されており、このあたりを美夜とやまとの関係性に落とし込んだ上で、楽曲の流れをつくるにあたって、現代的に「自由なやまとを私は広い心で受け入れる」という表向きのスタンスと、でも嫉妬心などからくる、チラチラと痩せ我慢なストレスが序盤に垣間見える構成をとり、しかし、やがて壮大なスケールの愛で互いの想いを包み込む、未来へ向けた希望を描く流れになっています。
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音楽面では、序盤は2Stepな音作りで、美夜のパブリックイメージを意識したおしゃれな感じでスタートし、中盤からややトランス寄りな音を取り入れる過程でやまとへの想いがあふれ出し、終盤に向けて壮大なメロと、太いギターサウンドの合いの手、大サビが展開しますが、ここでは少し「離別」を匂わされています。
ヤマトタケルに対するミヤズヒメの想いは、ヤマトタケルを失って以降、新たな夫を絶ったことから「断夫」山古墳という名が残ったり、熱田神宮を建立する流れに繋がります。二人の想いは現代に至るまで語り継がれ、二つの古墳や熱田神宮といった所縁の場所には今も、たくさんの樹々が生い茂っています。どんな形であれ最後、ひとは別れの時を迎えますが、未来へ続く想いが楽曲としてのクロージングと重なることで、より前向きな感じを演出する流れとなっています。
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758の音楽オムニバスCDである『夢のアルバム』の収録楽曲としては最後に制作された曲となりますが、他のキャラクタ達が少なからず自身の夢との関係性を歌っているのに対して、この曲では「夢見るあなた(やまと)」に対する「私」のスタンス、という形で、リアリストな「夢を語らない」美夜のスタンスが表現されていますね。
収録:
『projecct758 音楽集 夢のアルバム』
歌詞:
夢見がちなあなたとの
二人きりの運命だから
ざわつく感情、抑えきって
高鳴る鼓動、指折り数える
独占は趣味じゃない
放任は気が気じゃない
あてつけの刺激<サプリ>じゃ
こころの隙間うまらない
重なるため息で 深呼吸する毎日じゃ
息継ぎも苦しいくらい
ほの暗くクライ
薄暗くクライ
でもそんな自分自身
ぎゅっと抱きしめて
心の泉、枯らさぬよう
今日もずっと、愛を注ぐ
Love does not dominate 育むもの
私の愛はどの海より深く
七つの海を逆さまに 雨となり降り注ぎ
あなたの心の奥へ 染み入るの
夢見がちなあなたとの
二人きりの運命だけど
独占は趣味じゃない
放任は気が気じゃない
あついときめきと ほろ苦い胸の痛み
何度繰り返しても
あなたは心<ここ>にいる
あなたと 私が交わした誓い
いつまでも ともに
Love does not dominate 育むもの
あなたの愛はどの宇宙<そら>より広く
銀河の海を逆さまに 星となり降り注ぎ
私の心のすべてを満たすの
定めがやがて 私達を
永遠に別かつ瞬間<とき>を選んでも
二人で育んだ愛は大地に根をはり
大空へその青葉をひろげ続ける
ずっと一緒だから