フィロソフィは午後の7時 楽曲紹介


音楽:7/f
作詞:入江陵慈 作編曲:松永龍也
うた:少年ミリオン
松田利冴/大西沙織/小澤亜李
イラスト:おやま

私たちのユニット「少年ミリオン」の2曲目の楽曲だよ。この曲はとにかく平子ちゃんのソロパートが聴き所!

…その様なアピールをわざわざこちらからしなくても…

まぁまぁ。中盤から終盤にかけてみんなで一緒に盛り上がれる曲だから、ライブで歌った時はよろしくね!

楽曲解説:

 『フィロソフィは午後の7時』というとなんだか気取った感もありますが、フィロソフィの語源はギリシア語の「philosophia」=「知を愛する」、つまり「愛知」なので、(矢野顕子『東京は夜の7時』へのオマージュ的に)「愛知は夜の7時」と言い換えることができる、少年ミリオン的な言葉遊びがタイトルの本曲。少年ミリオンとしては2曲目、758の生放送第二期のOPであり、番組の放送時間帯にもかかっています。

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 「<夢にあふれていた> あの頃の自分」と「<現実を知った> 今の自分」は、刻が進む中で徐々に哲学(フィロソフィ)が変化してしまったけれど、でも繋がっているよ、悲しみもあるけれど、その時々の想いを胸に進むよ、といった、かつての自らの価値観への惜別と、それでも刻は進むという希望を描いた楽曲。今は午後7時、夜明けはこれからだよ、という、高校生であるきよめ達の等身大の物語が描かれています。

 モチーフには宮沢賢治『銀河鉄道の夜を用い、物語で主人公が向き合うことになる結末・現実の構図と、この曲自体の、平子、りつ、きよめの物語とが重なっています。「やがてたどり着けない 鐘の音に気付くの」や「夢の中を まっすぐに進んでも 終着駅は どこにもなくて」「マジェランの星雲を超えて」など、『銀河鉄道の夜』を読んだ上で聞くと、また世界観が広がるのではないでしょうか。

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 キャラクタ達の物語としては、少年ミリオン1stアルバムの各ソロ曲のそれぞれの価値観の合流点として描かれており(よって、歌詞には”銀月”、”きもち”、”オカシ”と、前作の各ソロ曲タイトルが登場)、「いい加減大人になりなさい」という同調を求める声に「いまだ私は幼年期」と歌った平子は、本作においても、ブルカニロ博士*へ問いかけます。

 一方、相手のきもちに寄り添う歌を歌ったきよめと、自らの運命を貫く歌を歌ったりつは、それぞれコーラスで目覚めを告げる役割に回り、この中盤から大サビにかけての、惜別と希望に連なる流れは本曲の一大ハイライトとなっています。

(*ブルカニロ博士…未完の『銀河鉄道の夜』の第三次稿に登場するも、最終原稿とされる稿からは姿を消している登場人物。つまり、平子は刻の流れに叛き、別の世界線に存在しているともいえる博士に問いかけることで、最終稿の結末、或いは自らの目覚めに抗っている。)

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 ライブパフォーマンスでも人気の楽曲ですが、project758 Music Live ~うたをうたおう~では、メンバー考案の振り付けをしながら、出演者・会場全体で午後7時にこの楽曲をみんなで歌おう、という流れでさらに大盛り上がりとなりました。

フィロソフィは午後の7時
サミット2017』においても会場が一体となっての盛り上がり

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 前作『シークレット・ウォーター』がエレクトロ寄りの編成、ループありきで、夢の中へ夢の中へと深く進む内容であったのに対し、こちらはある意味真逆の、アナログ寄りでミュージカル的な編成、繰り返しよりも展開を続け、現実・目覚めに向けてつきすすむ(常にメロディが変わっていく)形で、続編というよりは「」と「目覚め」という、テーマ上、対の関係をもっています。

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 また、CD版では実写とのダブルジャケットを採用しており、マゼラン星雲を背景とした表紙と、午後7時、テレビ塔での待ち合わせに向かう前に口紅を直す女性、といった異なるコンセプトとなっています。

楽曲データ:

収録:
 『少年ミリオン 2nd album フィロソフィは午後の7時

音楽配信:
 『少年ミリオン フィロソフィは午後の7時

歌唱:
 『project 758 music Live うたをうたおう』2017年2月12日
 『project758 サミット2017-What a Fantastic Night!-』2017年11月26日

テーマソング
 『project758 ニコニコ生放送 第三期』オープニングテーマ

歌詞:


地平線をどこまでも 追いかけてみて
Sky high! Right now!
やがてたどり着けない 鐘の音に気付くの
 
夢の中を まっすぐに進んでも
終着駅は どこにもなくて
グラデーションが 色とりどりきらめき
水面<みなも>かすめて つづく
 
供に見た 昨日の夢の続きを
追い求めるだけじゃ 届かない
目覚めに悲しみ 涙流したとしても
一緒に笑いあえた あの日を忘れないよ
 
フィロソフィは刻<とき>をうつ
 
だって これから なんだもん
チック・タックと 刻は進む
 
夢の中を まっすぐに進んでも
終着駅は どこにもなくて
グラデーションが 色とりどりきらめき
水面かすめて つづく
 
 
What’s up All? 調子はどう?
夜はこれからよ
Wake up!パーティよ!
きもちふれあい
What’s up All? 調子はどう?
繋がろう
Wake up! パーティよ!
目覚めるの
 

刻の理<ことわり>に叛<そむ>いてでも
( さぁ 目覚めるの )

僕の声届けて ブルカニロ博士
( 夜がはじまるの 刻が来たの )

終局<おわり>を告げるこの幼年期に
( 目覚めるの )

銀月やマジェランの星雲を超えて
( 夜がはじまるの Ah- )
 
 
こんなセカイ、つまんないな
こんなセカイ、つまらないわ
こんなセカイ、つまんないなぁ
こんなセカイ、つまんない!
 
このセカイ、つまんないっけ?
このセカイ、つまらないかしら?
このセカイ、つまんないかな?
このセカイ、つまんない?
 
このセカイ、オカシいよね?
このセカイ、可笑しいわ
このセカイ、おかしいよ
このセカイは、おかしい!
 
 
だったら いつまでも とじこもってないで
わたしたちと 一緒に さぁ 7.5.8 join!
 
供に見た 昨日の夢の続きを
追い求めるだけじゃ 届かない
目覚めに悲しみ 涙流したとしても
一緒に笑いあえた あの日を忘れないよ
フィロソフィは刻をうつ
 
それは語り継がれることのない物語<ストーリー>
目覚めとともにきえてなくなるの
二度とあえない君と
交わした未来への約束<チケット>胸に
 
フィロソフィは午後の7時
 
だって これから なんだもん
チック・タックと 刻は進む
だって これから なんでしょう?
夜明けがさぁ、 僕らを待っている